グリンダムの王族
「、、、寂しい?」

吐息のかかる距離でカインが囁く。リズは自分を見つめる緑色の瞳を見返しながら「え、、、?」と問う。

「俺が、居ないと、、、」

ぼんやりする頭でその言葉の意味を考え、リズは「、、、寂しいです」と答えた。
カインがクスッと笑う。

「嘘吐きだな」

「そんなこと、、、」

リズの言葉は再びカインの唇に飲み込まれる。
リズは目を閉じ、彼に身を預けた。

カインとの時間も今ではリズにとって楽しい一時となっている。
最初の頃のような緊張感も無く、側に居て安らげる。
居なくなってしまうのを寂しく思うのは、本当の気持ちだった。

口付けを繰り返しながら、不意にカインの手がリズの背中の留具で止まった。
それを片手で器用に外す。
それを感じ、リズの体がビクッと震えた。

縦に並ぶ留具が、次々と外されていくのが分かる。
露になった肌を外気が撫でる。
カインの大きな手が服の中に入って来た瞬間、リズは無意識にカインの胸を押していた。

カインの手が止まる。2人は少しの間、動きをとめて見つめあった。

「、、、これ以上は、まだ無理?」

カインの言葉にリズは何も言えずに俯いた。

カインは、「やれやれ、、、」と言いながらリズの頬を両手で挟み、その顔を上向かせる。

「いつなら、いいんだろ」

リズは眉を下げて、カインを見ていた。
なんと答えていいか分からなかった。

自分が我侭を聞いてもらっているのだから、リズだってそれに応えないといけないことは頭では分かっている。
それでもやっぱり覚悟を決めるまでにはまだ時間がかかりそうだった。

けれどもリズの中では男の人と肌を合わせるということ事態が想像を超えていて、それを受け入れるのにどのくらい時間が必要なのかというところは、全く分からない。
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