グリンダムの王族
婚儀の当日、ファラントはそれを祝うかのような美しい青空が広がっていた。

参列者が城に次々と城に集まる。城門の衛兵は1人1人身分を確認し、馬車を通す。
いつにない忙しさに人を増やして対応していた。

そんな中、グリンダムの王弟の馬車も無事到着した。

セシルはカインが来たという知らせを聞き、早速お迎えに出た。
城の前庭に見慣れた馬車が停まっている。
そこから降りてきた兄の姿に、セシルは自然と笑顔になった。

銀色の刺繍が施された真っ黒な礼服を身に纏う彼は、いつもより少し大人びて見える。
城の階段を下りて駆け寄って来る妹の姿に気付き、ふっと笑みを浮かべた。

「お疲れさま!」

城内から出てきたセシルはまだ部屋着だった。
髪も結わずに下ろしたままである。

カインはそんな妹の姿を見て、「お前、のんびりしてるな」と言った。

「まだ時間あるもの」

セシルはそう言うと苦笑しつつ、「ラルフのおかげで、私がクリス王子に恨まれてるみたいなんだけど」と小声で言った。

カインはその言葉に思わず吹き出す。

「俺、後で挨拶行こうかな」

楽しそうにそんなことを言う。

「何言うつもり?」

「”ラルフからリズを譲り受けました、どうもありがとう”って言わないと」

セシルが楽しそうに声をあげて笑った。

「もうこの際、とことんイジメるしかないわね!」

2人のそんな会話を聞きながら、近衛騎士隊長ジョルジュは目を丸くしていた。

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