グリンダムの王族
その後、城内の神殿にて婚儀が執り行われた。
神の前で夫婦となる2人を参列者達が静かに見守る。
神官のよく通る声だけが神殿に響き渡る。
王子はその肌の色に合った白い立派な衣装に身を包み、長い睫を伏せて俯いている。
その隣に立つ美しい花嫁も、同じように純白の衣装を身に纏っている。
そんな2人の姿は一枚の絵のように美しく映えていた。
「ではファラント王家の紋章の授与を」
先日確認した儀式が繰り返される。
クリスは今日は黙ってそれを手に取ると、セシルと向き合った。
そして彼女の目を見ることなく首飾りを着ける。
向き合って立つ2人の姿に、周りで見る人々は感嘆のため息を漏らした。
しかし当の本人達は一切目を合わせず、
首飾りが着いたのを確認すると2人とも即座に前を向いた。
そんな姿を見ながら、カインは1人笑いをこらえていた。
王子の結婚を祝い、その日国内はお祭り騒ぎだった。
婚儀が無事終了すると、城の周りに集まった国民達へのお披露目のためにバルコニーへ並んで出る。
その姿を認め、国民は歓声を上げる。
手を振るセシルの隣で、クリスは相変わらずただ憮然としているだけだった。