グリンダムの王族


なかなか戻らないアーノルドを追うという口実で、ラルフも晩餐会を抜けて外へ出ていた。夜の風は酔った体に心地いい。

かるく見渡したが、アーノルドは居ないようだった。
それならそれで別にいい。
目的もなく歩いていると、ふと木の葉が騒ぐ音が聞こえてきた。
それに混じって、くぐもった声が耳に届く。ラルフは眉をひそめた。

その音の方へと歩き、やがて植え込みの影から見える足に目を留めた。

ラルフは足を速めて近寄った。

「―――誰だ!」

声をかけると、木の葉の音がぴたっと止んだ。
ラルフは植え込みの影に目をやった。

そこに居たのはアーノルドだった。
女を組み敷いた状態でラルフを見ている。
目が合って、気まずそうに苦笑いした。

ラルフは緊張を解き、ため息をついた。

「、、、部屋を用意しようか」

ラルフの言葉に、アーノルドは「そうしてもらおうかな」と言いながら少女の口を塞いでいた手を外した。

その体の下に居る少女を見て、ラルフが固まった。
そこに居たのはリズだった。

涙で顔を濡らしている。
服が乱され、肩が露になっている。
その目は見開かれ、震えながらラルフを見ていた。

ラルフは深いため息をついた。

「アーノルド、それはダメだ。
悪いが、カインの側室だ」

ラルフの言葉に、アーノルドは目を見開いた。

「側室?!侍女じゃないのか?!」
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