グリンダムの王族
「わざわざ、、、2人で、、、?」

「1人でなんて絶対ダメだ」

彼はそうはっきり言った。2人は少しの間沈黙してお互いを見た。

―――アランが居るからかぁ、、、。

セシルはそう思ったが口には出さなかった。
クリスも特に言わなかった。絶対に譲らないという目でセシルを見ている。

正直、アランが居たって大丈夫と言う自信は無い。
そういう意味では、クリスの存在はあったほうがいいのかもしれない。

「、、、分かった。2人で行こう」

セシルの言葉に、クリスはほっとしたようだった。
その目から力が抜けたのが分かる。

セシルはクリスから書状を再び受け取ると、それをもとのように引き出しの中に戻した。

「セシル、、、」

クリスに呼ばれる。セシルは黙って振り返った。
クリスのライトブラウンの瞳がまるで探るようにセシルを見ている。

「こっち来なよ、、、」

言いながら寝台を軽く叩く。
それを見ながらも動かないセシルに、クリスは眉をひそめた。

「セシルは俺の妃なんだからな」

言い聞かせるかのようにクリスが言った。
今更なその言葉に、セシルは苦笑した。
けれども今その台詞が出てくる理由も、彼の言いたいことも何となく分かる。

「、、、分かってる」

セシルはそう小さく応えると、ゆっくりと寝台に上がった。

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