グリンダムの王族
クリスは固まっている。
セシルの言葉に、多少は傷ついたのだろうか。
黙ってセシルの言葉を待っている。

「好きとか言いながら、押し付けるばっかり!
私の都合も気持ちも完全無視じゃない。
クリスが好きなのは一番は自分よ!
私じゃなくて」

クリスは何も言えずに固まっている。
分かりやすく哀しげな顔に、セシルの胸がちょっと痛んだ。

でも、間違ったことを言ったつもりもない。

クリスは黙ってセシルから離れると、前を向いて座りなおした。

セシルもクリスから目を背けて窓の外を見る。
豊かな緑が、窓の外に広がっていた。
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