グリンダムの王族
ラルフは議会の部屋でセシルを迎えた。
クリス王子の姿を見て、少し意外そうに眉を上げた。
議会の部屋には他に誰も居ない。
セシルはラルフを見て、「元気そうで、なによりだわ」と呆れたように言った。
ラルフが苦笑しつつ立ち上がった。
「クリス王子がおいで下さるとは予想外でしたが、有難いです。
セシルと一緒に話を聞いていただきたい」
そう言って座るように促す。
クリスとセシルは椅子に腰掛けた。カインはラルフの隣に座る。
全員が腰をかけると、ラルフもあらためて椅子に座った。
「ゴードがグリンダムに戦をしかけるかもしれません」
ラルフは唐突にそう言った。
クリスが目を見開いて固まる。
セシルも同じように驚きながら、「どういうこと?!」と聞いた。
ラルフは近衛騎士隊長ジョルジュが殺された件と、その事件に対する自分の考えを説明した。
クリスとセシルはただ黙ってその話を聞いた。
「そこまで分かってるなら、早くそいつをなんとかしてよ」
話が終わるとセシルは即座にそう言った。
「まだ証拠はない。あくまで俺の想像だ」
ラルフが応える。
「それはそうだけど、、、。
本人から聞き出せばいいじゃない。
証拠なんて、そうそう掴めないわよ。
相手が動くの待ってるなんて危険よ」
セシルの訴えはもっともだった。クリスは隣で何も言わずに座っている。
ラルフは首を振った。
「死んでも吐かないだろう」
セシルは何も言えずに兄を見ていた。
「それで、、、」
不意にそれまで黙っていたクリスが口を開いた。
「もしその男が何かしらの行動を起こした場合、その先はどうなる?」
ラルフは冷静な目でクリス王子を見ている。
「戦になります」