グリンダムの王族
リズはカインに”クリス王子が話をしたいんだそうだ”と言われて庭園に向かった。
クリスはそこで長椅子に座って待っていた。
近寄ると、ハッとしたように顔を上げる。
リズの姿を認め、立ち上がった。
リズは彼のもとにゆっくりと近づいた。
クリスのライトブラウンの綺麗な髪と目は、何も変わっていない。
あの頃のようにやっぱり住む世界の違う、良家の子息という雰囲気だ。
「ごめん、呼び出したりして、、、」
側に来たリズに、クリスはまずそう言った。リズは「ううん」と言って首を振った。
「一言、謝りたくて」
クリスの目がじっとリズを見ている。
リズは彼の言葉に何も言わずに、ただクリスを見ている。
クリスが目を伏せた。
「俺のせいで、リズの生活を壊して、、、。
王族なんかに、、、こんな世界に巻き込んで、、、」
クリスが言葉を切って目を閉じる。
「―――守ってもあげられなくて、、、。ごめん」
2人の間に沈黙が流れた。リズがゆっくり首を振った。
「謝らなくていい、、、」
クリスも首を振る。
「そんな風に言ってくれなくていい。
謝ったって、謝りきれない。
むしろこんなこと言うのは自己満足なんだけど、、、」