グリンダムの王族
「、、、私、幸せなの」

リズがクリスの言葉をさえぎるように言った。クリスがリズを見る。
リズはにっこりと微笑んだ。

「カイン様の側で、幸せなの」

リズの笑顔に、クリスはしばらく何も言えずに彼女を見ていた。

かつてお下げに結っていた髪は下ろされ、その細い肩を覆っている。
大人びたドレスが何の違和感もなく似合っている。
初めて会った昔より、彼女はずっと綺麗になっていた。

「―――良かった、、、」

クリスは思わず呟いた。
そしてハッとしたように、

「いや、だから俺がしたことが許されるかっていうと違うんだけど、、、」

と言った。

リズがクスッと笑う。
クリスもつられて笑みを漏らす。

「でも、良かった、、、」

クリスの言葉にリズはやわらかく微笑んだ。
そんなリズの笑顔を見ながら、クリスが口を開く。

「俺、何も分かってなかった。
リズのことだって、ラルフ王をただ恨んでばかりだったんだ。
そもそも俺の我侭から始まってたのに。
好きでもないのに結婚しなきゃいけないなんて言ってたけど、それだって俺だけじゃなかった。
セシルだって、、、同じだったんだよ」

リズは黙ってクリスの言葉を聞いている。
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