グリンダムの王族
ラルフは弟の質問にふっと笑みを浮かべると、

「手付かずの鉱山がある」

と答えた。

「近隣の国々には、その国の政治の状況や環境を調査させるために、
調査隊を派遣しているんだ。
その調査結果でファラントには良質な鉱山が存在していることが分かった。
ファラントに採鉱の技術が無いのか、その場所が人里から離れているせいか、
鉱山には気付いていなかったようだ」

ラルフはそこまで言って言葉を切るとカインを見た。
カインは納得したように頷いている。

「同盟を結んでから、その採鉱をグリンダムで行うって話にするのか」

「その通りだ。同盟を結んだ後に見つけたことにする。
掘り出した鉱石は一部をファラントに残して、
後はグリンダムのものにする」

カインは頬杖をついて少し考えると、

「、、、でも、ファラントに対してはグリンダムは脅威だろうから、
同盟結ばなくても、”鉱山渡せ”って言えば、渡しそうだけどね」

と言った。

「乱暴な発想だな」

ラルフはちょっと笑った。

「それも一つの方法だが、得策ではない。
小さい国でもわざわざ敵を作るのは賢くない。
小さい国が大きい国に助けを求めて力を合わせれば、
グリンダムだって落せるかもしれないぞ」

カインは兄の説明に、「なるほど、、、」と笑みを浮かべた。

6歳も歳が離れているせいか、カインにとってラルフは昔から良き指導者である。
小さい頃から、セシルと一緒に剣を習い、政治を習い、
そして自分はついでに女も教えてもらった。

「さて、部屋に戻るか」

ラルフはそう言いながら立ち上がった。
カインもそれに習い、席を立った。
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