グリンダムの王族
「来ないよ、、、」

根拠は無いに違いない答えに、セシルは「そっか、、、」と返した。

「じゃぁ、、、もっと」

そう言って目を閉じる。

「どうしたの、セシル?なんか猛烈に可愛いよ」

クリスは顔を上げると、驚いたように問いかけた。

「知らない、、、。
ねぇ、もっと、、、」

「うん、、、」

ねだるセシルに応えるように、クリスは再び彼女の胸に顔を埋めた。



暖かい木漏れ日が川辺を照らす。
鳥の声が優しく響く。

そんな場違いな風景の中、ファラントの王子夫婦は2頭の馬に見守られながら、仲を深めていた。



<完>

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