グリンダムの王族
日暮れ時、辺りが薄暗くなり始めた頃、
ライラの都市での調査を終えた騎士隊の一行は、城への道を戻っていた。

ライラの被害は深刻だった。
農作物の収穫にも影響が出るだろうと思われる。

「水害に対して、なんらかの対策が必要だな」

隊長の言葉に、隣で馬を並べて進んでいるアランが「そうですね」と応えた。

「恐らくラルフ様はすぐ検討して下さいます。
彼等の生活に関しても、救済措置がとられるでしょう」

アランの言葉に隊長は頷いた。

若い王ラルフが即位してから2年、初めは不安に思っていた騎士達も今はそれが杞憂だったと思っている。
ラルフは父親以上に国中に目が届く王になっていた。
グリンダムだけでなく、近隣諸国にも。

ふとアランは遠くの湖に目をやった。

湖のほとりで、馬が2頭木につながれ、
その近くで若い男女が並んで腰を下ろしている。
それが気になったのは、つながれている馬の片方に見覚えがあったからだった。
白く美しい立派な馬。付けられている鞍も、上等なものであることはすぐに分かる。

アランは思わず馬を止めた。

アランの行動に、隊長も、彼等の後ろを進んでいた騎士達も止まる。

「どうした」

隊長がアランに声をかけた。

「あ、いや、、、。なんでもありません」

アランは我に返るとまた馬を動かした。

その目は湖のほとりの馬をしばらく見つめていた。

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