グリンダムの王族
「ごめん、無理言って、、、」

湖のほとりに並んで座りながら、クリスはリズにそう言った。
日暮れ前の湖は、夕日で赤く染まっていた。
穏やかな風が頬を撫でる。
それを感じながら、リズはふるふると首を振った。

クリスのライトブラウンの瞳がリズを見る。
躊躇いつつ、口を開いた。

「すごく嫌なことがあって、、、。
なんだか、きみの顔が見たくなって」

リズはその言葉に少し赤くなった。

「嫌なこと?」

「うん、、、」

クリスはそう応えて、目を伏せた。

「、、、好きでもない子と、結婚させられそうになって」

リズは驚いたように目を見開いた。

「親戚の方に??」

そういえば自分は親戚に会いに来ていることになっているのだった。
クリスは仕方なく「うん」と言った。

リズは顔をしかめると、「そんなの、ひどいね」と言ってくれた。

その言葉にクリスの胸が熱くなった。
なんだかリズを抱きしめたくなる。
でも、まさかそんなことはできなかった。

「断っていいと思う」

リズが真剣な目でそう言う。

クリスはちょっと困ったように微笑むと、「断われそうにない」と呟いた。
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