グリンダムの王族
アランはその日の夜、1人城の馬屋に来ていた。

馬屋に居るクリスの馬を見て、それが夕方に見た馬と同じであることを確信する。
めったに居ない名馬だ。見間違うはずはないと思えた。

湖のほとりで並んで座っていた少女と少年。
あれがクリス王子だとすると、少女は、、、。

少なくともセシルでないことは分かっている。
アランはしばらくその馬を見て考えていたが、
やがて背を向け馬屋を出て行った。

アランが騎士の館に戻ろうと歩いていると、
侍女が彼の姿を認め、駆け寄ってきた。

「アラン様。セシル様がお呼びです。
お部屋に来るようにとのことです」

侍女は彼を方々探したらしい。
やっと見つけたというように安堵していた。

アランはふっと微笑むと、「分かった。ありがとう」と応えた。



部屋に現れたアランに、セシルは待ってましたといわんばかりに抱きついた。
アランはそんなセシルを苦笑しつつ抱き返した。

「こう連日では、目立ちませんか?」

セシルは体を離してアランを見る。そしてにっこり微笑んだ。

「だってもうすぐお別れだし。
皆知ってるんだから、今更コソコソしても仕方ないでしょ?」

アランはその言葉に困ったような笑みを浮かべた。

「私は王子に知られることを心配しているのですが」
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