グリンダムの王族
「リズか」

そう言ってラルフは長椅子を差した。

「座るといい。少し話をしよう」

そして足早に長椅子へと歩くと、先に腰をかけた。

リズもためらいつつ長椅子に寄ると、その隣へと座った。

リズはラルフの意図がつかめず、ただ彼を見ていた。

ふとリズを見るラルフの目が、彼女の首元で止まった。
そこにある首飾りを見て、驚いたように固まる。
リズはその視線に気付いて、自分の首飾りに触れた。

「あ、、、これは」

リズがどう説明していいのか迷っていると、ラルフは軽くため息をついた。
ラルフが何を考えているのか、リズには全く分からない。
ラルフは少し間をおくと、口を開いた。

「突然のことで驚いただろう。悪かったね。
きみには国のために少し協力してもらいたいと思ってる。」

リズは目を見開いた。

そして、「国の、ために、、、?」と繰り返す。

ラルフはふっと微笑んだ。

「そうだ。私の後宮に入るというだけで、充分その役目を果せる」

リズはその意味が分からずに、困惑した。
自分が国に影響する立場になどあるはずがない。
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