グリンダムの王族
ラルフはリズの戸惑いをよそに、言葉を続けた。

「きみの役目は明日分かる。
何も言わずに私の隣に居てくれればいい。それから」

ラルフはリズの首飾りに触れた。リズがビクッと震えた。

「、、、これは、私に渡してもらおう」

そう言った彼の目は有無を言わさぬ力があった。
笑みを浮かべてはいるが、その目は鋭く光っている。
リズは再び恐怖を感じながら、

「これは、とても、、、大事なもので、、、」

と、たどたどしく言った。

そしてその首飾りをつけたまま来てしまったことを後悔した。
美しい金の首飾り。
それはきっと高価なものに違いなかった。

ラルフはじっとリズの目を見ていたが、その両手を彼女の首の後ろに伸ばした。

「あの、、、」

慌てるリズに構う事無く、ラルフの手は彼女の首飾りを外した。
そしてそれを手にとってじっと眺める。

「お待ちください、、、それだけは」

リズの訴えなど聞こえていないかのように、ラルフは首飾りを持ったまま立ち上がった。

「それでは、明日」

「、、、お待ちください!!」

リズが慌てて立ち上がった。

クリスの首飾りだけは、どうしても持って行って欲しくなかった。
ラルフの緑色の瞳が、リズを捕らえる。
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