グリンダムの王族
やがて王が姿を見せた。その後ろから、姫君が付いて来ている。
女性を議会の場に連れて来た王に、その場に居る全員が目を見張った。
クリスも怪訝な顔でその姫君を見ていたが、不意にその顔を確認すると、目を見開いて固まった。

声も出せないほどの衝撃だった。
王の側に居るのは、リズだった。

間違いなく、彼の恋した少女だった。

「お待たせして申し訳ない」

そう言いながら、その手をリズの腰に軽く回す。

カインとセシルがただ目を見開いて兄を見ている。
彼の行動の意図がさっぱり分からず、ただ驚いていた。
クリスが思わず立ち上がった。
その姿を見たリズが、クリスと同じように目を見開いて固まった。

2人はお互い固まったまま、お互いを見ていた。
ラルフがふっと微笑むと、リズに向かって

「紹介しよう。ファラント王国の次期王位継承者である、クリス王子だ。」

と語りかけた。

その言葉に、リズの目の前は真っ白になった。
ラルフが体を支えていなかったら、その場に座り込んでいたかもしれなかった。

クリスが何も言えずにただラルフとリズを見ている。
立ち上がってみたものの、言葉を発することができなかった。

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