グリンダムの王族

リズは早速自分の部屋に戻ると、出迎えてくれた侍女に「今日はもう退がって頂いて、大丈夫です、、、」と言ってみた。

気を悪くされないかとドキドキしたが、侍女は「かしこまりました」と言うとあっさり部屋を出て行った。

1人になったリズは、ほぉ~っと吐息を漏らした。

その後リズは1人でのんびり湯浴みをして、部屋着に着替えて、本を片手に寝台に寝そべった。
寝転がった状態で本を読んでいると、やがて気がゆるんだせいか眠くなってきた。

リズは読み途中の本を持ったまま、いつしか心地よい眠りに落ちて行った。



カインが視察を終えて戻って来たのは日暮れ後だった。
その足でラルフの部屋へと向かう。
兄を前に、彼は視察の結果を報告した。

「ライラだけ、次期の納税額は下げることで決まった。
農地は荒れてるけど、すぐに元に戻せるだろうってことで、特に兵士の手はいらないらしい。
氾濫のせいで倒壊した家の住人が住むための仮住まいは、すぐに工事にとりかかることになった。
食料の配給はすでに始めてたから、それに対して国から補助金を出すことにした。あとは領主に任せていいと思う」

カインの言葉にラルフは静かに頷いた。

「今後川の氾濫には対策が必要だな。同じことが起こると面倒だ」

「それに関しても検討するって言っていたけど、とりあえず後回しになりそうだ」

「だろうな」

ラルフは苦笑するとカインに目を向けた。

「話は分かった。ご苦労だったな。戻って休んでいいぞ」

カインは頷くと、兄に背を向けて部屋を退出した。

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