グリンダムの王族
「お昼ご飯をご一緒させて頂いたんです。
セシル様が私の午後の予定を全部中止にしてくださって、
ゆっくり休むように言ってくださいました」
リズは説明しながら、思っていた。こんなに近くに居るのに、今日はそんなにカインのことが怖く思えない。
それはきっと、セシルが彼の言葉を教えてくれたから。
”大事にしてるつもりらしいわよ”
「なるほど」
カインが独り言のように呟いた。
「何話したの?あいつと」
「、、、色々と、、、」
曖昧に答えると、カインは苦笑して「色々ね」と言った。
実際色々話をしたのでそう言ったのだが、まるでごまかしてるように聞こえたのかもしれない。
リズは記憶を手繰り、改めて言った。
「カイン様には我侭を言ってもいいって、おっしゃってました」
カインは目を丸くして「我侭?」と聞き返した。
突飛なことを言ってしまった。リズがどう説明しようか迷っていると、カインがクスッと笑った。
「、、、いいよ。言っても」
優しい声が耳に届く。
それに誘われるように再びカインの目を見ると、彼もリズをじっと見つめていた。
黙ってリズの言葉を待っている。
実際何か言いたかったわけではないのだが、その言葉を催促するような言い方をしてしまった。
リズは否定しようと一瞬口を開きかけたが、ふと思いなおしたように言葉を止めた。そして少し黙って考える。
「、、、どうした?」
カインが穏やかに問いかける。リズは寝台の上に正座すると、思い切ったように口を開いた。