噂の５人は謎多し!?
「泣くだけ無駄だ。涼輔……。もうあいつはこの世にいない。さぁ、最後の姿を見ときな！」


金村は硝煙の中の嬰治の場所を指差した。涼輔はただただ涙を流し、嬰治の名前を叫んだ。


「嬰治ーー!!!!!」

「――呼んだか？涼輔」


その場にいた全員は涼輔の後ろに視線をやった。そこには涼輔に微笑みかける無傷な嬰治の姿があった。

金村は硝煙の方を見てみると、やはりそこには嬰治の姿がなかった。

涼輔は涙を流しながら嬰治の服を掴んだ。


「良かった……。嬰治が死んだかと思って……俺……」

「俺はそう簡単にしなねぇからさ……。それと先に言っとくな……。ごめんな……」

「えっ……？」


涼輔は嬰治の言葉の意味を理解出来なかったので、嬰治に聞こうと思った瞬間、嬰治が涼輔のうなじを叩いた。

涼輔はそれにより気を失ってしまった。嬰治は涼輔を抱えて端の方に優しく置いた。


「――金村 光武（かねむら みつたけ）。人身売買、覚醒剤の売買、殺人容疑であんたを殺しに来たよ……」


嬰治は口元だけで笑いながら一枚の紙を金村に見せるように出した。そこには金村の名前と写真、罪科が書いてあった。
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表紙・目次

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