男子、恋をする
「確かに寿梨がヒロインだったらインパクトあるよ! 寿梨なら生徒会室出入りしてても違和感ないし!」
乙部……。
コイツは今日から女版那津だ。
那津並のアホさ加減に敬意を込めて、密かにそう呼んでやろう。
似た者同士の二人は相変わらず意気投合してて、会長の眉間のシワがぷっくり膨れ上がっていた。
「やってくれるよね? ジュリエットちゃん?」
「寿梨がやってくれたらすごく助かるよ」
にっこり笑顔の那津と、うるうる瞳で縋る乙部に挟まれた寿梨は、
「あっ、えっと……」
わたわたと忙しなく二人に交互に視線を向けながら、
「わたし……」
最後にじっと、正面の会長を見つめた。
全く見てるだけで苛ついてくるくらい、態度がキョドってる。
ムカつくくらいウザいな。
そんな不安そうな寿梨の瞳を見つめ返す会長の視線が、ふっと柔らかくなる。
そしたら、
「わたし……出来るだけ頑張るからっ、だからその……よろしく、お願いします……」
さっきからずっと不安そうだった寿梨の顔付きがにわかに引き締まり、ぺこりと頭を下げて見せた。