男子、恋をする

寿梨が背後霊と化してるコトに気付くわけもなく、夢中になって喋りまくる女子たちの前に、



「悪い。通してくれ」


ちょうど登校してきた会長が現れ、いとも簡単に女子たちを靴箱の前から退けてしまった。



にしても、朝から相変わらずムッツリした顔だな。



何事も無かったような澄まし顔で、会長は靴を履き替えていく。



「あ、ありがとう……」


「いい加減自力で解決しろ」



その背中におずおずとお礼を告げる寿梨を一瞥し、会長はやや呆れ顔で溜め息を吐いた。



その気持ち、分からなくはないけど。



おずおずの後は、会長の言葉でモジモジと俯く。



そして、


「あ……」


靴を履き終えさっさと去っていく会長の背中を見つめる寿梨の顔が……どことなく悲しげに見えたのは気のせいか。



うーん……。

朝から辛気くさいったらないな。



これが模範生徒大城 澪斗の相手役だっていうんだから泣けてくる。



まぁ。
おかげで女子たちの醜い争いに歯止めをかけてくれたコトには感謝してる。



これは本当。



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