男子、恋をする
寿梨にみんなの前で拒まれたのはかなり堪えた。
また拒まれたら恥ずかしいし嫌だ。
そんな気持ちがどーしても拭い去れず、台詞を覚えるって名目で生徒会室の隅っこで台本に目を通していた。
……ダサ子に振り回されてる自分が情けない気もするけど。
「…………」
「右右左……右右左」
「……あっ……ごめ、ん」
「大丈夫だ。もう一度」
……全然集中出来ん。
台本に赤ラインを引いた青年の台詞は、いくら眼球に映しても全く頭に入ってこない。
それもそのはず。
台本を読む俺の目の前では、会長のリードでダンスのステップを練習する寿梨。
二人で向かい合い、足元を見つめながら何度も何度もステップを踏む。
もちろん、リードする会長の手には寿梨の手がしっかりと握られている。
拒絶はおろか、躊躇うコトもなくしっかりと……だ。
……実に面白くない。
ダサ子の癖に人を選ぶとは生意気だ。