男子、恋をする
生徒会室の扉に向かう俺に、二人は見向きもせず、
「右右左……」
「……右右左」
取り憑かれたように足元を見つめたまま、相変わらずブツブツ言いながら手を握り締め合ってる。
一言声を掛けようかと思ったけどやめた。
……多分、無視されるし。
それか、
あっ、キミ居たの?
みたいな目で見られるに決まってる。
そのどっちも嫌で、俺はそそくさと生徒会室から逃げ出していた。
ちくしょー……なんで俺が。
ダサ子なんかに拒絶されて、その上気まで遣って……。
自販機の前でミネラルウォーターを一気に飲み干しながら、頭の中に湧いてくる苛立ちを必死に振り払ってく。
寿梨に振り回されてる自分の気持ちが嫌なのに、気がつけば寿梨のコトばかりを考えてしまう。
最近ずっとこの調子。
そんな気がする。