男子、恋をする
衣装を見に行った那津たちが戻って来てるコトを願いながら、ゆっくりと時間を掛けながら生徒会室に戻った。
自分ではゆっくりしたつもりだけど、実際にはそれ程じゃなかったかも。
ホントは二人がどうなってるか……。
気になって気持ちがどんどんと足を進めさせた。
そのせいか、生徒会室にはまだ誰も戻って来てないみたいだ。
相変わらず生徒会室の中は二人の世界のまんまで、
「右左右ターン」
「右左……わっ」
俺が出て行く前より少しは進歩したのか、腕を持ち上げた会長に促された寿梨がふわっとスカートを舞わせる。
勢いあまって前につんのめった寿梨の重心が、ブレて会長の方になだれた。
「ご、ごめんなさい……飛鳥くん」
「気にしなくていい」
会長の両腕に支えられた寿梨は頬を赤らめてあわあわと謝る。
そんな寿梨を気遣う会長の表情だって柔らかい。
もちろん、寿梨は拒絶しない。
ここには俺が入る余地なんてないし、勇気もない。
ていうか、見たくもない。
俺以外には、いくら触れたって平気なんだな。
あぁ……イライラする。
ダサ子の癖に。