不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-



10分の時間が過ぎ、無事、降りる駅に到着した。


コウがいるので、降りる時も勝手に人ごみが割れるので楽。


「ルミさん!」


電車を降りて、改札へと向う途中で後ろから声をかけられたので振り返る。


そこには、コウの大きな背中があった。


「コウ!邪魔!」


私を呼ぶ声に後ろをついてきていたコウも止まって振り返っていた。


「ん?ああ」


コウは背中から私に声をかけられ、私の邪魔になっていることに気づいて、すぐに私の前から退く。


そして、視界をさえぎられていたコウが退いた後には、マイが立っているのが見えた。


「あ、マイ、おはよう!」


「おはよう、ルミさん・・・・山下くんも。」


「おう。」


コウは、まともにマイを見ずに答える。


(コウは、何をカッコつけてんの?)


私は、そんなコウを見て、ふと疑問に思ったけど、あえてそこには触れなかった。

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