不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「リョウさん、ここでしたか。」
その時、男がひとり、私の前に現れた。
新たに現れた男は、元からいた男に白いコートのような服を渡す。
その白いコートを羽織るとその裏には、『蒼炎』の文字が大きく書かれていた。
特攻服・・・
「あなた・・・それ?」
私が小さい声で男に尋ねる。
「ああ、俺は、暴走族 蒼炎 第3代目総長 織田リョウ。」
私にそれだけ伝えると公園の前に止めてあったバイクに乗り、轟音を響かせて去っていった。
私に強烈な印象を残して。
この時は、気づいてなかったけど、私は、確実に織田リョウに何かを感じていた。