不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
「コウ?聞いてるの?」
「・・・何?」
コウは不機嫌そうに振り返り、私を見下ろす。
「もう、そんなに不機嫌になるんなら、私をこんな暴走族の集会なんかにつれてこなければよかったのに。」
私は、少し怒った顔でコウを見る。
「・・・いや、その・・・」
コウが何か言いかけた時、私とコウに暴走族の一人が話しかけてきた。
「コウさん、彼女連れて集会来るのはじめてっすね。」
「うるせぇ~、ヒロ!あっち行ってろよ!」
コウは、話しかけてきた男をヒロと呼んで、めんどくさそうに片手でどっかいけとジェスチャーする。
「え~、いやっすよ。それより、コウさんの彼女紹介してくださいよ。」
コウにあしらわれながらも、気にせず、ヒロは話しかけてくる。