昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

落ちてきた闇の中、河原の向こうでおっちゃんらぁが花火の準備しとるんが見えた。

大変やんなぁ、花火職人のひとって。暑い夏に(今もう秋なんかもしらんけど)熱い花火打ち上げなあかんねんから。

怖ないんやろか。家庭用の打ち上げ花火ならウチかて火つけるん得意やけど、なんせ威力が違うやん。


「足つかれた?」

「え?」

「下駄。やっぱ慣れへんと大変やろ。どっかで休む?」


足見てみたら、鼻緒んとこがちょっと赤くなっとった。

これでフツーに毎日歩いとったとか、昔の人尊敬するわ。


「あ〜せやなぁ…大丈夫やけど、どっか座って休憩しよか」

「そうしよ。ほな休憩のお供は?」

「えっとな〜…」

「「かき氷!!」」


同時にゆうて吹き出した。

焼き鳥、ビール、かき氷。祭りのゴールデントリオや。

このかき氷もな。やっぱ外で食べるんは格別やねんな。祭ブランドやで、風間のお言葉拝借しますけど。


「かき氷て店どこにある?」

「あー、けっこう向こうの方やわ。あの人がよーけたまっとるとこらへん」

「風間視力ええなぁ」

「ほなそこら座っといて、優子。俺買ってくるわ!結構並んどるし」


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