昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

ベンチっぽいとこはいっぱいやったから、そんな汚れてなさそうな段差を見つけて腰を下ろす。

息をついて、空を見上げた。

雲がないからか、わりと星の光がよー見える。これから花火にその役割をしばらく奪われることなんか知らんと、ひっそり輝いて。


「絆創膏、持ってった方がよかったかいな…」


浴衣とか下駄とかなれてないもんやから、なんも考えてなかった。まだ大丈夫そうやけど皮とかめくれたらえらいこっちゃやし。


目下にある浴衣の裾を見つめて、もっかいフゥ、て息をついた。



浴衣。

…喜んでくれて、よかった。



ひとりでポツンとおったら、盛り上がってた気持ちが落ち着いていくのがわかる。

盛り上がるんは祭りの空気のせいだけやない。

多分な。だれかと一緒におるから楽しいねん。


ボケーッとしとったら、いきなり後ろから肩をつかまれた。


「かざ……っ」


風間が帰ってきたんや〜思て振り返って、固まる。

ウチの肩に手をかけてるんが、全然見知らへんギャルっぽい女の子やったから。


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