昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
えー……と。
(記憶を遡ってます)
…誰や。
「え……あの、」
「〜まさるのイトコの人やんね!?」
必死な形相で迫られて、必要以上に何回もうなずいてしもた。
ただでさえパッチリしたおっきい目が間近で見開かれてるねんもん。ちょっとビビるで。
つか、
かっちゃん……?
「そう…やけど、どうかしたん」
「まさるどこ行ったか知らん!?」
「…へ?」
「あんなっ、まさるアタシらと祭り来とってんけど…!!途中から気分悪なった〜ゆうて、ほんでいつの間にか行方不明で…っ!!」
女の子はめっちゃ慌てとって、ウチも突然すぎて、なにを言うてんのか全然理解できへんかった。
ひとつだけ頭に入った文章。
──かっちゃんが、行方不明。
「…え………え?なに、どういう───」
「倒れたりしてへんかって、アタシ心配で…っ!!」
見渡す限り、すき間を失った人混み。
半ば混乱した頭をさらに慌てさすには、十分やった。
行方不明?倒れとる?なにを言うてんの。
──頭ん中をよぎったんは、あの時の光景。
バイト先。荷物運んどる途中に倒れたかっちゃん。
ほんま、ステーン!て人形みたいに。いきなり。
「──────っ!!」
思い出したら、頭ん中一気に冷えた。