昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


「は……っ、」


肺が痛い。
ちょっと落ち着いて正気に戻ったら、なにしてんの、の問いかけは自分に向いた。


…なにしてんの。


こんな必死んなって走って。べつに関係ないやん、かっちゃんとか。一緒に来たオンナノコらが捜せばええ話やんか。マイペースな奴のことや、ホロホロ歩いてどーせどっかで違うオンナノコらに声かけられとるに決まっとるねん。


せめて風間にちゃんと説明してきたら良かった。

人多すぎて今さら戻るに戻れへん。


「……痛っ」


指の間にするどい痛み。

足見たら、鼻緒のとこに血がにじんどった。

最悪や。慣れへんモンはいて走り回ったからとうとう靴擦れしたし。


このままやと確実にもみくちゃんなるから、人気のなさそうなとこに逃げ込む。

河原の細い階段を降りていったとこ。


…だれも気づかなさそうなその行き先は、屋根とかもげてまいそうなくらい古びた小さい神社やった。

こんなさみしいとこに神様放置したらバチあたるんちゃうの。


ズリズリ足を引きずりながら、座れそうな段差を求めて神社に近づく。

神社の裏側に回って、やっと休憩できそうな場所を見つけた。


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