昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

微妙に開いた距離で話される言葉は、なんでか余計に響いて聞こえた。

背中を汗が伝う。
さっきまでも何回もあったのに、そのスピードも遅く感じる。


「…戻らんでええの」

「………」

「めっちゃ必死で捜索されとったで。ウチも駆り出されたわけやし…」

「…ゆうは?」

「え?」

「ゆうは戻らんでええの」


─うん、戻るよ。ウチはそう言うことも首を動かすこともできへんかった。

今すぐにでも戻って、風間捜さなアカンのに。


口を開こうとせんウチに、動こうとせんかっちゃん。


「…話すん、久々やな」


目を反らした瞬間、ぽつりとかっちゃんが言うた。


「……うん」

「なにしよったん、夏休み」

「べつに…家おったり遊んだり。そっちこそ何しててん」

「一緒ちゃう?家おったり遊んだり」

「家───」


…おらんかったやん。言いかけてやめた。

そんなん言うたら、かっちゃんのことめっちゃ気にかけとったみたいやから。

実際この休みの間は忘れててん。


かっちゃんの存在が、薄れてたはずやねん。


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