昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
ざばぁっ!て思わず立ち上がった。

温泉におるお客さんが一斉にウチの方を見る。

慌ててもっかい、潜るみたいに温泉に浸かった。


「な…なになになにゆうてん!!そんなワケないやろ!?」


…なんで風間がそこで出てくんの。


「え…だってまーちゃんと風間くん、付き合うてるんやないの?」

「ちゃうよ!!友達友達っ!!風間とウチはそんなんちゃうねんて!」

「そうなんやぁ?勘違いしとった〜。めっちゃ仲ええからてっきり…」


…さくらちゃんて絶対天然や。他気のない爆弾発言が多すぎる。

確かに今までも付き合ってるのかって聞かれたことはあったけど。

まず、風間がウチを好きになるわけないし。アイツが好きなんは元カノとチーズケーキやろし。


さっきから色々とドギマギしすぎてのぼせてまいそうになる。

もともと長風呂派じゃないねん。たいていシャワーで済ますもん。


熱気のせいで頭フワフワする。


「さくらちゃん…あの、もうそろそろ上がらへん?」

「あ…、」


ウチがそう言うたら、さくらちゃんは一瞬、ちょっと泣きそうな顔んなった。


ちっちゃい子が助けを求めるみたいな。


でもそれはホンマ一瞬で、すぐに可愛らしい笑顔でニコッて笑う。


「…あっ、先上がってええよ〜?ウチ、もうちょっとぬくぬくしてくから!」

「……?うん、じゃあ上がって待っとくな!」


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