ヤクザと執事と私 【1の残り】
(あ、花瓶・・・)
私は、花瓶が割れないように瞬間的に花瓶を両手で抱え込む。
しかし、私は斜めにはなったが、倒れなかった。
顔を横に向けるとそこには・・・執事の横顔がすぐに存在していた。
「・・・小夜さん、大丈夫でしたら、申し訳ありませんが、立っていただきたいのですが。」
執事は、あの瞬間に私が倒れないように中腰になり私をその胸で支えてくれていた。
しかも、執事は両手に荷物を抱えているので、その胸だけで私を支えていたので、少しきつそうな格好。
「あ、すいません。」
私は、斜めになった体を急いで元の真っすぐに戻す。
執事も元の体勢に戻る。
私は、視線を急にできた壁に向けると、その壁は熊さんだった。
組の料理番の熊さん。
身長190cm以上あり、お相撲さんみたいな体格の熊さん。
急に現れたら、小さい私にとっては壁と変わらない。
その熊さんは、何が起こったのかわからない様子でニコニコ立っていた。
「熊さん・・・危ないですよ。」
執事が苦笑いを浮かべながら、熊さんに忠告する。
しかし、熊さんは何で危ないのかわからないといった様子で相変わらずニコニコしている。
「・・・・小夜・・・・これ・・・・食べる。」
熊さんは私の前に重箱を差し出した。