ヤクザと執事と私 【1の残り】
「大和、そんなに落ち込むことありませんよ。私と比べるからいけないのですよ。ポチさんと比べたら、十分、大和も立派な顔立ちしてますよ。ねぇ、小夜さん。」
「はい、そうですよ。ポチさんに比べれば、組長、カッコイイです。」
「・・・龍一、なんで急に幼馴染みの口調に戻るんだよ。しかも、上から目線。・・・・小夜、俺と龍一比べるとどっちがカッコイイ?」
今までになく真剣な組長の表情。
「・・・ポチさんと比べたら、カッコイイですよ、組長!」
再び繰り返す私。
「・・・あ、今、龍一、勝ち誇った顔で俺、見ただろ!」
「そんなことしませんよ、大和。・・・私は、勝敗のわかった勝負に興味はありませんので。」
「・・・くそ!どこまでも上から目線!」
「冗談はさておき、小夜さん、何か変わったことはありませんでしたか?」
悔しがる組長はほおっておいて、執事がいつもの業務連絡をはじめる。