ヤクザと執事と私 【1の残り】

「大和、そんなに落ち込むことありませんよ。私と比べるからいけないのですよ。ポチさんと比べたら、十分、大和も立派な顔立ちしてますよ。ねぇ、小夜さん。」


「はい、そうですよ。ポチさんに比べれば、組長、カッコイイです。」


「・・・龍一、なんで急に幼馴染みの口調に戻るんだよ。しかも、上から目線。・・・・小夜、俺と龍一比べるとどっちがカッコイイ?」


今までになく真剣な組長の表情。


「・・・ポチさんと比べたら、カッコイイですよ、組長!」


再び繰り返す私。


「・・・あ、今、龍一、勝ち誇った顔で俺、見ただろ!」


「そんなことしませんよ、大和。・・・私は、勝敗のわかった勝負に興味はありませんので。」


「・・・くそ!どこまでも上から目線!」


「冗談はさておき、小夜さん、何か変わったことはありませんでしたか?」


悔しがる組長はほおっておいて、執事がいつもの業務連絡をはじめる。
< 34 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop