空を見上げる


私も早く食べなきゃ!!


そう思って私はそばを思いっきり口に頬張った。


「ぷっ!
焦らなくても大丈夫だよ!
待ってるから。」


そう言って空くんは
私の顔を覗き込む。


今まで気付かなかったけど、
空くんはかなりの美形。
目は切れ長の二重で、
鼻筋も通ってる。
きりっとしていて整った眉毛。
どのパーツをみてもカッコイい。
整っているとしか言えない。


「…///うふひゃいひょ!」
(うるさいよ!)


照れ隠しに言った言葉なのに、
口にいっぱい頬張りすぎて
うまく喋れなかった。


「言葉になってないよ!
ははっ(笑)」


そんな顔反則だよっ!!!!


「もう!///うるさいってば!」


「はいはい(笑)
ゆっくり食べてて
いいからっ!
俺、トイレ行くわ(笑)」


空くんに
子供扱いされたのが
すっごく悔しくて
いなくなった瞬間
とにかくがむしゃらに食べた。


食べ終わって
私が水を飲んでいると
空くんが戻ってきた。


「あ、食べ終わったんだ♪
じゃあもう帰る?」


本当はまだ
一緒にいたいけど…


「そうだね!
帰ろっか!」


なんて、
無理矢理笑顔を作った。


大丈夫かな?
ひきつってないかな?


「じゃあ、出よっか!」


店のドアに手をかける空くん。


…あれ?


お会計は!?


「ありがとうございましたー!」


店員が言う。


え?


堂々と食い逃げですか
関口くーん!?


私が呆気にとられていると、
空くんが早くーと急かしてくる。


私は混乱して、
その場に立ち止まり
空くんに向かって


「お会計はー?」
と叫ぶと空くんは、


「俺がトイレ行ってるとき
もう払っといたよー!」


と答えた。


空くん…
行動が早いっ!


「ほら美奈!
早くーっ!」


と満面の笑みで
また急かす。


空くん…
そんな優しさ
反則だよ。


*・・
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