この手で紡ぐ神の欠片



シャープなラインの顔に、
それを引き立たせるような
銀縁の眼鏡。

ダークブルーの
ブレザータイプの制服が
彼にはよく似合っている。
ネクタイもきちっと
締めてあり
真面目な少年に見える彼は、
天宮 詠人(あまみや えいと)。


「菜生ちゃん、今日も可愛いね」

筋金入りの、女たらし。

優男とでも形容しておく。

「あははは、詠人黙れ」

私は笑いながら
詠人の頬を引っ張った。

「女の子に触られるなら本望ひゃ」

…引っ張っているので
言葉が間抜けだ。



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