この手で紡ぐ神の欠片



「……な、なんだ」

一口啜って喉を通ったのは
紅茶だった。

「いや、」

詠人が自分のコップに入った
紅茶の表面を見た。

「今の夫婦のやり取りみたいだな、と」

「うざい!」

「可愛いなぁ」

「死ね!」

彼は引き続き
ニヤニヤとしていたが
そんなに腹はたっていなかった。

からかわれているけれど、
嬉しいと言えば
嬉しいし。
複雑な女心かな。

紅茶をまた一口飲んで
息を吐いた私に詠人が言った。

「ねぇ、たま」

「猫みたいな呼び方すんなっ」

詠人が笑った。

「ごめんごめん、あのさ――」



< 177 / 268 >

この作品をシェア

pagetop