この手で紡ぐ神の欠片
ゴホンと一度
彼は咳払いをして続ける。
「珠輝が神話を使うきっかけって何だったの?」
彼が私を見た。
私は学校のカバンから
厚い白い本を出した。
「これは、北欧神話」
私の神話。
「一羽のカラスから貰った」
笑いを含めて私は言った。
「屋上で飛び降りようとして、成り行きだったんだけどね」
「――飛び降り!?」
詠人がすかさず反応した。
「ちょ、たた珠輝。まさかさかま…ゆゆぅ、れ」
「意味わかんね」
すかさず頭を叩く。
「なんか霊とか見えて、疲れてたのさ」
紅茶をぐいっ、と飲む。
「珠輝も見えるんだ」
詠人が落ち着きを取り戻し
驚いたように言った。