この手で紡ぐ神の欠片



ゴホンと一度
彼は咳払いをして続ける。

「珠輝が神話を使うきっかけって何だったの?」

彼が私を見た。

私は学校のカバンから
厚い白い本を出した。

「これは、北欧神話」

私の神話。

「一羽のカラスから貰った」

笑いを含めて私は言った。


「屋上で飛び降りようとして、成り行きだったんだけどね」

「――飛び降り!?」

詠人がすかさず反応した。

「ちょ、たた珠輝。まさかさかま…ゆゆぅ、れ」

「意味わかんね」

すかさず頭を叩く。

「なんか霊とか見えて、疲れてたのさ」

紅茶をぐいっ、と飲む。

「珠輝も見えるんだ」

詠人が落ち着きを取り戻し
驚いたように言った。



< 178 / 268 >

この作品をシェア

pagetop