この手で紡ぐ神の欠片
「へぇ。アタシも初耳」
「そうか。オレのカラスはムーニンって言うんだ」
そう言う詠人の表情は、いつも通りの笑顔。
私は横目でその表情を見て、
詠人に静かに尋ねる。
「で、最初に言った言葉は何?」
「え、ああ」
詠人は話を始める。
「今日誰かきたかって尋ねられてさ――あぁ、多分2つコップが出てたからだと思うんだけど」
一呼吸、置く。
「この前の茶色い髪の女の子、珠輝だよって答えたら」
はぁ、と詠人は溜め息を吐く。
カラス――フーギン――も私も
黙って彼の話を聞く。