紅い月
「後ろは松原を中心に片付けてくれ。前は私がやる。」




凛はそう言うと自らも刀を抜いて敵に向かって走り出した。




後ろはざっと十五人、前は二十人って所か。後ろは問題ないだろうな。




凛はそんな事を考えながらも相手の刀を弾いて次々と相手を倒して行く。




ガキンっ!!




刀と刀が激しくぶつかる音がする。




凛は相手を全て片付けるとくるりと後ろを振り返る。




後ろはまだ梃子摺って居るようだ。



凛はもう一本の刀を抜くと隊士の元に走る。



「隊長っ!!」



「あっちはもう終わった。こっちもさっさと片付けるぞ。」





凛はそう言うと二本の刀を使ってどんどん相手を斬りつける。





「二刀流・・・コイツが吉田先生の言っていた・・・。」




最後の一人を斬りつけるとその男が息も絶え絶えに言った言葉に凛は耳を疑った。



「吉田・・・どういうことだっ!!」




そう言って男の胸倉を掴んで身体を揺らしたがもうその男は既に死んでいた。





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