紅い月
ぴくん・・・



誰かの視線を感じて辺りを見回すと橋の下にある木からこちらを覗く吉田の姿を見つけた。



相変わらずの趣味の悪い黒い着流し、そしてこちらをジッと見つめる瞳。見ているだけで吐き気がする。



「隊長っ!後片付け終わりました・・・隊長?」




「っあぁ・・・松原、みんなを連れて先に帰ってくれ。私は少し行かなくてはいけない所がある。局長にはすぐに戻ると伝えておいてくれ。」




「あっ!隊長っ!!」




松原の返事を聞く前に凛は走り出していた。





先程、吉田にいた所へと・・・。











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