魔女のカウントダウン☆

洗面所の鏡で一応化粧直しをするあたし達

『いやあ〜 最初から男連れのスキー旅行ってのもいいよね。運転しなくて済むし…』

歩夢が言った。
美紀が含み笑いを浮かべる。
『うふふ… 歩夢ったら一也君といい感じじゃない?』

『えっ、そうなの?』

あたしは歩夢に訊いた。

『さあね… 奴は、まだガキだからねえ〜』

歩夢が笑う。

その時

ドンッ!!

加奈が鏡を叩いた。

『悔しい!! 哲太の奴!!』

『どっ、どうしたのよ?』
歩夢と美紀が驚いて加奈を見る。

『いや…実はさ…』

あたしは苦笑いを浮かべながら、車内での加奈と哲太の喧嘩内容を話した。


『バカね〜 加奈と哲太なんて、もう付き合ってるようなもんじゃない!』

歩夢が加奈の肩を叩く。

『付き合ってなんか無いよ…あたし哲太に何も言われて無いもん!』

加奈はそう言うと、クルリと背を向けてトイレに入った。

バタンッ!!

凄い音をたてて閉まるドア
割りと、根が深い喧嘩かも知れない…。

なんとなく、嫌な予感がした。

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