魔女のカウントダウン☆

転び方をマスターしたら 次は、ボーゲンの練習だ。

『ほら、こうやって、漢数字の八の形に板を開くのよ』
まずは、幸也にお手本を見せる。

『ほぉ〜・・』
幸也が、感心しながらあたしを眺めていた。

『ちょっと、感心してないで、あんたもやりなさいよ』

『あっ、ごめん』

幸也は、慌てて板を広げる
スキーがゆっくりと滑り出した。

『そうよ!上手い上手い!』

あたしは、幸也の前に回り込み、後ろ向きのボーゲンで下って行く。

『お前、後ろ向きでも滑れんのか?スゲーな!!』

幸也が、子供見たいな顔で目を丸くさせた。

やっぱり、こいつってば 可愛い!!

『あれ?』
妙な異変に気がついて、あたしは思わず胸に手をあてた。


嘘でしょ? と思った。


。。。いい年して



あたし、ドキドキしてる…。


幸也の見せた一瞬の少年のような顔に、 あたしは、不覚にも、ときめいてしまっていた。


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