魔女のカウントダウン☆

その時


『なんか、悪かったな・・』

隣から、幸也の声が聞こえた。
見ると、幸也があたしを見ている。

『お前、滑ってきていいよ俺、1人で練習してるし…』

『練習?1人で滑って また誰かに、体当たりするの?』

『・・・・』
黙り込む幸也

瞬間、(…なんか、あたしってば、凄く意地悪な言い方してる) と思った。


『着いて来なさいよ!初心者コースはこっちよ』

何でこんな事になったのか良く解らないけど、取り合えず、あたしはそう言うと幸也に手招きをした。




幸也と2人、初心者コースの中でも、人が少なめで、斜面のなだらかな場所を見つけると、あたしはまず、スキーの基本、転び方から幸也に教える事にした。
『おい、もうこの位でいいだろ?』
とお尻をさする幸也に
『甘い!! まだまだ!!』
と首を振りながら、何度も転ばせた。
大きな男が、転んでお尻をさする姿は、凄く可笑しい!!
あたしは、時々、我慢できなくて 後ろを向いて『ククク…』と笑った。
肩の震えで笑っている事が解るのか?幸也は、『おい、いい加減にしてくれよ!』
とむくれていた。

何故か?無性に、可愛く映る。



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