魔女のカウントダウン☆
幸也の唇が、離された時、急に恥ずかしさが込み上げて来て、あたしは思わず下を向いてしまった。
だけど、その後で、上目遣いにチラリと幸也を見たら、彼も恥ずかしそうに横を向いていて、何だか 遠い昔のファーストキスを思い出してしまった。
その時
『ドッカァァァン!!』
外で、大きな音がした。
『花火だ!!』
叫びながら、一斉に ゲレンデに駆け出す人々
『める!俺達も、行こう!』
幸也があたしの手を引いた。
人混みの中、幸也に手を引かれ、外に出ると、ゲレンデは綺麗にライトアップされていた。山の頂上から、ふもと迄、ゲレンデを挟み、色とりどりの光の帯が左右に別れ輝いていた。
そして、夜空に打ち上げられる花火
まるで、夢のような世界だった。
幸也が、繋いだ手に力を込める。
幸也を見上げるあたし
花火の光が映り、彼の瞳が、キラキラと輝いていた。
あたしは、どうやら、ゲレンデの魔女に魔法をかけられたらしい…。
もう・・そうとしか
言い訳が、思いつかない
だって、今日 出逢ったばかりの彼に
こんなに簡単に
急速に
あたしは、心を奪われてしまっていた。