魔女のカウントダウン☆
本当に、去年は良く食べたと思う。
『あはっ』
小さな笑い声が、つい口から漏れてしまった。
男は、自分の話にあたしが笑ったと勘違いして、ますます、喋り口調をヒートアップさせてくる。
会場の中央を眺めると、歩夢と加奈も、それぞれに違う男と会話を弾ませていた。
その少し右側に視線を流す。
幸也と女の姿は、もう消えていた。
その時
『ん?』
あたしは、ある事に気がついて、視界を左右に大きく振った。
美紀が居ない!!
この会場に入る迄は、確かに一緒にいたはずの美紀が居ないのだ。
あたしの異変に気づいて
『どうしたの?』と男が首を傾げたが、あたしはそれを無視して、会場内の何処かにいるはずの美紀を探しに歩き出した。
『美紀!!』キョロキョロと周囲を見渡して名前を呼んでみる。
広い会場に、ざわつく多人数の山
美紀を見つけるのは容易な事では無い。
途中で、話かけた歩夢と加奈は
『心配ないって!どこかで、男と楽しくやってるわよ』
と笑っていたが、どうしてもあたしにはそうは、思え無かった。