姪は叔父さんに恋してる
たった今改札を出た叔父さんは腕時計を確認してるから、まだこっちには気付いていないみたい。
でも改札から噴水までそれほど離れているわけでもないから、危険なことには変わりなかった。
「………っ!」
全く離そうとしないキャッチに舌打ちをひとつして、私は咄嗟に、ポケットからケータイを取り出した。
番号を押し、コール中にも関わらず耳に押し当てると、声を大にして言い放つ。
「警察ですかっ!?
不審者に絡まれて困ってるんですが!!」
「げっ!?」
ベタな手だけど、なかなかに効果はあった。
“警察”と言った途端キャッチの表情は強ばり、公衆はギョッとしてキャッチに目をやる。
完全にキャッチは“不審者”として認識されていた。
そんな状況で絡める筈もなく、キャッチは掴んでいた手をパッと離すと、
「チッ…!」
私よりも大きな舌打ちを響かせて、その場から走り去って行った。
結局、広告は一枚も拾わずに。