姪は叔父さんに恋してる


―――


スーパーの果物棚に並ぶ中からひとつひとつ吟味し、叔父さんに相応しい最高の物を選ぶ。

閉店間際のスーパー内で一人、じっくりと“林檎”を選ぶ女子中学生の私を、店員さんは少し不思議そうに見ていた。


叔父さんを喜ばせる物…。
きっと叔父さんは、私のあげた物なら何でも喜んでくれる。
自惚れとかじゃなくて本当に。

だから私は、この前叔父さんに切ってもらえなかったウサギ林檎を、自分で切ってあげるんだ。

お見舞いって感じするし、林檎なら私も好きだし、自分で切れるようになったことを示せば、叔父さんはもっと喜んでくれる筈。


叔父さん狂である私の厳しい目に留まったのは、赤々と色付いた美味しそうなふたつ。

果物ナイフは向こうで借りることにしよう。


ふたつの林檎を買って、私は疾風のごとく叔父さんのもとへ舞い戻った。


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